手術治療
石川眼科医院では、一般的な白内障をはじめとして、難治性白内障、緑内障、黄斑上膜、黄斑円孔、黄斑浮腫や重症糖尿病網膜症などの網膜硝子体疾患など、大学病院や眼科専門病院で治療が必要な疾患に対して、当院での手術治療が可能です。

手術室は医療用換気システムを整えており、細菌やウイルス感染予防が可能なクリーンな環境で手術を行っております。また手術器械や備品などは専用の滅菌機器を用いて消毒をしておりますので、安心して手術を受けることが可能です。
リカバリールームは、手術の待ち時間および手術が終了した際にご利用いただきます。貴重品や上着用の個人用ロッカーを設置、手術後はリラックスした状態でお過ごしいただけるよう、リクライニングシートを設けております。
外来診療の中で手術適応を判断させていただいた後に、患者さまとご相談のうえ、手術日を決定します。全身疾患の有無を確認させていただくと共に、諸検査および手術についての詳しい説明を致します。その際にご質問にもお答え致しますので、お気軽にご相談下さい。
手術までの流れ

- 診察の後、手術日を決定します。(※散瞳による検査)
- 全身疾患の有無を近隣の内科などでチェックしていただきます。

- 再来していただき、眼内レンズ度数決定のための検査や角膜の状態をチェックします。
- 手術についての詳しい説明。可能であれば、ご家族の方もご一緒にお聞き下さい。
- スタッフから手術に向けての準備と生活についての注意点をお伝えします。
- 手術説明書・同意書をお渡しします。

- 血圧測定を行います。
- 手術の1時間前から散瞳薬を点眼してお待ちいただきます。
- 点眼麻酔後、手術室に入室。
- 麻酔薬点眼を追加した後、消毒を行って手術開始です。
(合併症のない白内障であれば所要時間は10分程度です) - 手術後、リラックスできる椅子でお休みいただき、異常がなければ帰宅して頂けます。
■ 術後の注意点
- 当日もしくは翌日まで眼帯装用となります。
- 手洗いをまめに行い、清潔に保つようつとめてください。
- 術後は目を強く押さえることは控えてください。
- 洗顔、入浴、洗髪については、通常、翌日から可能です。
- 翌日から点眼薬をはじめます。最低1ヶ月はお使いいただきます。
- 1週間、お車の運転は控えてください。
- 異常を感じた際には当院へご相談ください。
当院で行っている主な日帰り手術
白内障手術
対象疾患:一般的な白内障、難治性白内障
白内障の手術は濁った水晶体を取り除く手術です。超音波によって水晶体を細かく砕いて吸引する超音波乳化吸引術が行われます。高齢化社会に至っている本邦では年間100万人の方が受けていると言われています。
当院ではわずか2.4mmの極小切開創で手術を行います。また、目の状態などで個人差はありますが、手術時間はおおよそ10分程度で、点眼麻酔などの局所麻酔のみで痛みはほとんどありません。負担の少ない手術が可能となっているため、ご高齢の方が多いことを踏まえ、入院の必要がない日帰りで手術を行っています。
手術の前に充分な説明を行い、術後の見え方のご希望などをお伺いしたうえで、術中に用いる人工レンズを決定致します。
- 点眼麻酔、消毒の後、黒目の脇から切開します。
- 水晶体を包んでいる膜を切開します。
- 濁った水晶体の中身を超音波で砕いて取り除きます。
- 水晶体を包んでいた膜の中に眼内レンズを挿入します。
- 傷口が小さいため、縫合の必要もなく自然に閉鎖します。
硝子体手術
対象疾患:糖尿病網膜症、硝子体出血、黄斑上膜、黄斑円孔、網膜剥離、ぶどう膜炎などによる硝子体混濁、眼内レンズ脱臼 他
眼球の中には硝子体という透明なゼリー状の組織があります。ここに出血や炎症などにより混濁したり、フィルムである網膜にひきつれを起こして網膜剥離となったり、様々な疾患を引き起こす原因となります。
この硝子体を切除するために白目に小さな穴(わずか0.5mm)を3ヵ所開け、目の中の出血や濁りを取り除いたり、網膜に生じたひきつれを取り除くことで、網膜の機能を回復させうる手術です。
白内障手術と違い、やや複雑な手術なため、より高度な技術と病気に関する詳しい知識を必要とします。手術時間も30分~1時間以上におよび、合併症も白内障手術より重篤な場合があります。
近年では手術器機や手技の進歩により、この硝子体手術も比較的安全で短時間に行えるようになりました。
ただし先に述べたように合併症も多岐に渡りますので、詳しい説明が欠かせません。術前にご家族も含めて充分な説明を致しますので、お気軽にご相談ください。
緑内障手術
対象疾患:開放隅角緑内障、続発緑内障 他
緑内障では、いったん悪くなった視力や視野を元通りに戻す治療方法がありません。しかし、眼圧を下げれば病気の進行を遅らせることができます。薬物治療などでは充分に眼圧が下がらず病気が進行する場合は、眼圧を下げる手術をおこないます。
一般的に行われる緑内障手術は線維柱帯切除です。目の中の房水と呼ばれる眼圧をつかさどる水分を、目の外に逃がして眼圧を下げる手術です。最近では目の外に逃がす手段として、2.6mmの小さな人工のバイパス器具を挿入して、眼圧下降を図ります。
黒目の脇の白目に房水のプールを作成するため、常に感染症のリスクが伴うこと、また眼圧の微調整のため、糸を切ったり、マッサージを要する場合があるため、術後も定期的な診療が必要になります。